奇跡のリゾートレストラン カシータ

オーナー高橋滋さん講演会

2009年5月31日   by ACA

 

  先日奇跡のリゾートレストラン『カシータ』のオーナー高橋滋さんのお話を聞く機会がありました。私は残念ながらレストラン『カシータ』のことは知りませんでしたが、連日満席のレストランの
オーナーのお話が聞けるということで 期待してでかけました。カシータのオーナーの高橋さんはきりっとしてとても素敵な方でした。

高橋さんは以前横浜でオートバイの卸業をされていました。アメリカへ遊びに行かれたときに日本では買えない、日本製の素晴らしいオートバイが海外にはあることを知り、輸入をするようになったそうです。 オートバイの卸ですからオートバイを販売店さんへ運びます。普通は輸送業者さんに依頼して運んでもらうのですが、サービスで自分の会社の営業が終わった後無料で届けていました。自分の寝る時間を削ってです。

でもあるとき販売店の社長さんから言われました。 「遅い時間に待っているのは大変なので、昼間運んでくれない?有料で良いんだから。」 寝る時間を削ってもサービスと思って無料で運んでも喜ばれないのです。都合の良い時間に有料で運んでもらう方がありがたいのです。サービスはお客様が喜こんでくださるように 行う。 無料でなくても、多少高くても良いのです。

高橋さんは毎月海外へお出かけになります。時間がないから行けないというのは言い訳にすぎないそうです。日程に余裕がなければ、行ってすぐ帰るのでもOK。海外へ行くと日本の常識の中で気が付かないことを知ることができるし、一人で行けば、何をするにも自分でやらなければならないので苦労する。 そのとき体験がその後とても役に立つのです。

もちろん 英語の必要性も知ったし、一人で心細いとき暖かく迎えてくれるホテルがどんなにありがたいか、レストランでも何をしてもらったら気持ちよく過ごせるかを体験されました。初めてのホテルで「お待ちしておりましたミスター高橋」と言われて迎えてもらったときどんなに嬉しかったか 、またホテルスタッフがすれ違えば必ず「ミスター高橋、おはようございます。」とか「ミスアー高橋、今日はお元気ですか』など声をかけ、必ず名前を呼んでくれる 。そのことがとても嬉しかった。 お客様の名前を呼ぶのはとても大切なことなのです。

これが世界で一番優れたおもてなしをするホテルアマンリゾートだそうです。スタッフはいないように見えて必要なときにはさっと現れる。プールから上がると必ずタオルを持ってきて肩に掛けてくれるのだそうです。ある日毎日タオルを掛けてくれるスタッフの青年に高橋さんは聞きました。「あなたの夢はどんなことですか?」 青年は「一生懸命仕事を覚えてレストランでサービスできるようになりたいのです。」って答えました。

ホテル最後のディナーの時、大きなロブスターをトレイにのせたスタッフが現れました。海老がすごく大きいので重くて?トレイを持つスタッフの腕が震えていました。近くまで来てそのスタッフがいつもプールでタオルを掛けてくれるスタッフだって気がつきました。彼は初めてのレストランサービスで緊張して震えていたのです。涙・・・
アマンはお客様よりホテルスタッフの方が人数が多いそうです。 高橋さんはこんな素晴らしいおもてなしをしてくれるアマンリゾートのようなレストランを作ろうと思われたのです。

高橋さんの気に入っている会社の話もしてくださいました。日本のホテルならリッツカールトン大阪だそうです。顧客情報の管理がきちんとされていて予約をしておけばお部屋にいつも頼んでいるものは置いてくれてあるし、携帯を変えたらちょっと部屋を出て戻ってきたら新しい携帯の充電器が置かれてあったそうです。スタッフがお部屋に案内したときに携帯が変わっていると気がついて用意してくれたようです。

これに対し、気に入らないホテルは何度利用してもスイートルームを毎度利用する客の名前を聞く。顧客情報が何も残っていないそうです。気に入らないホテルならすぐにチェックアウトしてしまうそうです。

海外でクレジットカードを無くしてしまった時、アメリカンエキスプレスカードだけはCMの通りに「ご安心ください」と言ってすぐ新しいカードを発行してくれたそうです。他のクレジットカード会社は頼りにならなかったそうです。アメリカンエキスプレスカードお使いですか?

飛行機会社はANA。納豆は食べないと言ったら、それ以後は朝食に納豆は出てこない。やはり顧客情報をきちんと管理していていつも気持ちよく乗ることが出来る。10万円払って乗る人もい て、同じ飛行機に100万円払って乗る人にはそれなりのおもてなしをされるべきであると言われました。顧客情報をコンピューターにインプットし、どの乗務員が乗っても大切なお客の好みが分かるようになっていて、実行される、だからいつも快適に空の旅が出来るANAを選ぶのだそうです。

皆さんご存知のMKタクシーについても素晴らしいと言われていました。

大切なことはお礼の気持ちを表すことです。お客様に来ていただいたら頭を深く下げてお礼をする。またお帰りになるときにはレストランの外まで何人ものスタッフが手を振ってお見送りをしているそうです。雨が降っていれば傘をさして最寄の地下鉄の駅までお送りするそうです。

例えば自分の会社に代金が振り込まれたとき相手の方にお礼のメールや、電話をしますか?当たり前に受け取ってお礼も言わない会社が多いけど、それは良くない。(私も耳が痛いです。また振り込んでもお礼を言われることはありません。銀行間でお金がやり取りされてもお礼は言わないのが普通になっていますね)

講演会で高橋さんは感情を込めて話をし、感激した話をするときには涙を流し、気に入らなかったことを話されるときには怒っていられました。感激するお話は聞いている人も一緒に涙を流し ていました。カリスマ性のある方です。

高橋さんがお話されたことはどんな業種の仕事にも当てはまると言われます。お医者さんだって、弁護士さんでもふんぞり返っていないで、苦しんでいる人、困っている人にもっと優しく接することが出来るでしょう。どんな業種であれ、業務がうまくいくのは当たり前で更にその中で勝ち抜くには満足感を与えるサービスが出来るかどうか。自分の都合をお客様に押し付けないこと。お客様の身になって考えればもっと 温かいサービスが出来るでしょう。そのサービスがちょっと高くてもお客様は喜んでくださるでしょう。

誰でもお支払いを頂いたら有難う御座いますと深く頭を下げて言いましょう。お金を頂くことにもっと感謝しましょう。

海外旅行に行き、違った環境で便利なもの、考え方の違いなどヒントを見つけましょう。それをこれからの仕事に反映させましょう。

顧客情報を自分だけの物にしないでどの社員、スタッフにも伝わるようにしましょう。みんなで情報をチェックするようにしましょう。そうすればお客様は良い気分で満足されます。

いったいレストランカシータではどんなおもてなしをしているのでしょう? もちろん美味しいお料理は当たり前。 お客様のお好み、召し上がったメニューなどデーターに残しておく。 お客様の望みはノーと言わない。 無理な注文はそれなりの対価を取るけど気持ちよく過ごしていただくのが一番。

高橋さんは名前を呼んでもらったのが嬉しかったので、レストランではお客様一人一人のお名前を呼んでお迎えするそうです。

インターネットで検索したらそんなことまでするの?って言うようなことがカシータファンのブログに書かれていました。 お客様のイニシャル入りナプキン、お客様のホームページからの写真や言葉をプリントしたカードが付いたデザートなど、バラの花びらが散らされた席、たくさんのサプライズで感激させてくださるようです。

テラスでシャンペンを飲むのが大好きな高橋さんのことですから、お店でもリゾート気分、プールサイドでシャンペンを飲む気分を味わえるようです。

私もお話を聞いて、お客様は外までお送りし、車が角を曲がって消えるまでお見送りするとか、電話を取ったらもっといい感じにお話しするとか、出会った人にもっと気軽にご挨拶するとか、いろいろ反省する点がありました。

講演会の終わりに高橋さんが書かれた本2冊をが売られていたので主人にも見せてあげようと購入しました。読みやすい本なのですぐ読み終わりましたが、 涙を浮かべて感情を込めて話された講演会でお話を聞くのとはやはり迫力が違いますね。

カシータ公式ページ

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チームワークと顧客第一主義がポイント奇跡のレストラン「カシータ」の作り方

 

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